|
|
|
|
|
|
|
■キャブ損害保険 |
|
|
|
|
タクバス見聞録
このエッセイは、企画営業部のスタッフが、 全国のタクシー会社・バス会社の
皆様との交流の中で 思うところをとりとめもなく、記するものです。時には
失礼な表現が含まれることもありますが、 寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸いです。
|
馬鹿利口 |
S.Y |
人には4つのタイプがある (1) 馬鹿馬鹿 馬鹿そうに見せてやっぱり馬鹿 (2) 利口利口 利口そうに見せてやっぱり利口 (3) 利口馬鹿 利口そうに見せて本当は馬鹿 (4) 馬鹿利口 馬鹿そうに見せて本当は利口
若い経営者は(2)に憧れるが、残念ながらこのタイプは隙がなく、包容感がなく、余裕がなく、周囲に人が集まってこない。しかし(4)の馬鹿利口は人を油断させ、この人なら話を聞いてくれる、また私の助けも必要だと思わせ、多くの協力者が集まって来る。いうまでもなく、現場で理屈抜きの仕事をしているドライバーさんこのタイプが大好きである。
|
|
一周遅れのランナーへ |
K.K |
今ごろになって新しいサービスとして、観光ガイドタクシー(弊社ではこう呼ぶ)を推奨する協会・法人・個人がいることに驚くが、この世界に永くいる者としての現状と考察を簡単に。
かって大市場であった国内ハネムーナーは壊滅、絶滅しており、今残っているゲスト(弊社ではお客様のことをこう呼ぶ)は60歳を超えた富裕層、タクシー以外に観光の手段が無い方々ばかりである。
確かにこれから高齢化社会を迎えるし、個人旅行も増加する。したがって本来市場は拡大すべきであるが、実態はどんどん縮小している。その理由は販売窓口である旅行代理店にある。
この観光ガイドタクシーのお世話はその他の宿、運輸機関等の手配を含め、結構、手間暇がかかるので旅行代理店のコンサル業務を必要とする。 要は旅行代理店のやる気しだい。
しかし飛行機・バス・JRなど、ことごとく料金を破壊した旅行代理店も、特異な給与システムをもつタクシー業界だけは意のままにならず、結局撤収しているのが現状である。
まして昨今のリストラにて当然生産性の低い商品は扱わない、扱えない。
結論を急げば、天下のソニー、松下も大型家電店という流通を失えば販売量が激減するように、観光ガイドタクシーも旅行業者という流通を失いつつある現状では悲観的にならざるを得ないということである。
といってインターネットではこの抽象的なサービスの実感、実態が伝わらず、販売ツールとしては馴染まないことは間違いない。
|
|
頑張れ!! 若僧! |
E.N |
私の友人で味噌製造・販売会社の跡取りがいる。昨年29歳で代表取締役に就任した。俗に言う"跡取り息子"というものだ。大学で専門的な知識を勉強し、留学をし見聞を広め、満を持してデビューしたのだが、いきなり洗礼を受けてしまう。 生え抜きで長年一つのやり方しかしらない社員がほとんどで、新しいことを受け入れる社員(味方)が一人もいなかったそうだ。自分の考え・やり方を分かってもらい、実行できるまで1年という時間を費やしたそうだ。
私の懇意にしているタクシー会社の2、3代目も同様の悩みを持っていた。彼らは「タクシーはサービス業」として事業展開していくため、色々なアイディアを持ってはいるが"妨害"する様々な要素があり、結局やりたいことが出来ないと嘆いていた。「何のために自分が代表になったのか、ただ会社を存続させるために名前を連ねているだけなのか」と。諦めともとれる発言が悲しかった。
今、1歩外に出れば割引クーポン券やリピータへの割引、1プライスなど様々なサービスがある。しかしタクシーでは「コレ!」という何か目を引くものが欠けているような気がしてならない。若い2代目、3代目の経営者は様々なサービスを見たり使ったりしてきたはずだ。あそこならこんな特典がある、こんなに得をしたなんていう経験はたくさんあったはずだ。
タクシーも全く同じ。ここのタクシーを乗ったらこんないい思いをした、こんな特典を受けたというものがあれば必ずお客さんは増えるはずである。
"みんな同じ"という業界の悪しき習慣を、若さとバイタリティーで変えていただきたい。 今はまだ"若僧"かもしれないが、10年後私達が中心になる時代が必ずやってくる。その時に今のままで果たしていいのか?私たちの年代はサービス・特典の部分に対し非常にシビアだというのを忘れないでもらいたい。
|
|
東京があるじゃないか |
T.G |
何と云っても運収はトップだが、事、サービスについては消極的な東京へ。7月1日関西から「7,000円以上3割引き」を持って50台で進出した会社の社長と、お会いした時の話。 “卵を生まなくなったニワトリに、エサをやるバカはいない” “魚をとるなら魚の居る所に網をかけなくてはダメ” と云っていた話の実践。 「関西はこれ以上期待しても無駄。その点まだ東京のほうが稼げる」と薀蓄のあるたとえ。東京もこれからも県外からの参入が出て来るだろう。近い将来ひと波乱の予感 |
|
生け捕り |
K.T |
フセインが補足された時、スポーツ新聞の見出しが「生け捕り」であった。数ヶ月前までは神にも似た存在だった人物が、まるで獣の捕獲と同じ扱いになってしまう弱肉強食の、人の世の怖さ。 権力者は勝ち続けなければならない。経営でも然り。1敗もゆるされませんぞ、社長!! |
|
老いたる馬は道を忘れず |
Y.K |
タクシー業界は中高年軍団だから駄目なのか?答えはNO!! 良い習慣をもった中高年ほどハズレはない。使える中高年のチェックポイント。 (1)安定した家族構成(2)朝が早い(3)健康(4)字が上手(5)清潔(6)政治・経済の一般常識(7)コミュニケーション力。食べるものは選んで口に入れないと腹痛のもと。 |
|
いらっしゃいませ |
S.Y |
タクシー会社の経営者様。お客様がご乗車になる時「いらっしゃいませ」とドライバーさんに言わせよう。これは意識改革の入り口。この一言こそお客様が“A地点からB地点への移動のために乗る”のではなく,“車というお店にサービスを買いにきた”と考えるための大前提。したがってお店にきたのだからいらっしゃいませというのは当然のこと。 そしてその対価として運賃ではなくサービス料を払っていただく。運賃だから高いと言われることもあるが、サービス料なら無限の拡がりが可能となり、サービス次第でもっと高い料金をいただける。そしてそのサービスコンテンツを会社として、個人として、全員で一生懸命考え続けよう。そうすれば手の届くところにキングオブタクシーのベルトがある。 |
|
器 |
E.N |
労使がぎくしゃくするのも経営者のスケールに起因する。昨年のペナントレース終盤、日本シリーズ中、星野監督が選手を称えて抱きしめるシーンを何度も見た。大人の男を抱きしめる。大人の男が抱かれて喜ぶ。そのシーンを見て、星野監督に地球すら抱ける大きな包容力を感じた。学べても真似のできない器の差。社長、まずはドライバーさんと握手することから始めてはいかかでしょう。 |
|
数字の神様 |
T.G |
政治討論を聞いていると、さすが政治家は話すのが仕事、話し手毎にこちらの考えも変わる。さすがはプロ。語る能力、説得力には脱帽。政治は話すことから始まる。 反対にビジネスはまず行動。思ったことを行動しなければそこに商品もサービスも生まれない。そして成功者のみが話す、語れる資格をもつ。敗軍の将にマイクは用意されていない。しかし語る成功者はなぜかビジネス寿命が短い。 ビジネスは人が語るのではなく、数字が語るもの。でしゃばると数字の神様が気分を害す。タクシー業界も利益を出している経営者は一般的に寡黙である。 |
|
仕事は残り、職業は消える |
N.A |
「来年の今ごろは消えているタレント」というむごい特集があるが、20年以内に消える職業というもっと残酷な特集はどうだろう。ただし職業とは、その時代の日本人として、スタンダードな生計を維持可能な収入があるということ(アルバイト・パートでこなせるのは仕事とする)。 さて、消える要因は(1)利用者がいなくなる(2)働き手がいなくなる だろうがまず、いの一番にタクシードライバーも候補にあがるだろう。理由は後者である。 現在の平均年収が約350万円、他の職業平均よりも約200万円も安く、沖縄では200万円以下で、さらに下がる傾向にある。しかし24時間のドアツードアのサービス需要は多く、安ければ利用したい人はたくさんいる。したがって現状のサービス内容では仕事としては残るが職業としては残らない。 そこで低賃金の仕事として残すか、または付加価値を高めて職業として残すか、経営者の判断の時期がきている。と同時に判断が遅れれば間違いなく職業以前にその会社は消えてしまう。 |
|
|
|
|