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■キャブ損害保険 |
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タクバス見聞録
このエッセイは、企画営業部のスタッフが、 全国のタクシー会社・バス会社の
皆様との交流の中で 思うところをとりとめもなく、記するものです。時には
失礼な表現が含まれることもありますが、 寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸いです。
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ボロ雑巾 |
T.G |
会社が社員に与えるものの一番はサラリーだが、社員の求めるものは安定感、安心感、
安全感といったメンタルなものもある。そしてそのファンダメンタルは、なんといって
も知名度とブランドである。もちろんこれは、大企業の特権であって、中小企業にないも
のねだりをされてもしようがない。 しかし人間には、智恵があり、中小でもできないこと
はない。それは誰かのリーダーシップの下に協業することである。 例えば酒屋さんが
セブンイレブンのFCに参加するとか、街の電気屋さんがナショナルのチェーン店に
なったり、また最近都内で日本交通さんの看板に塗り変えた2社があるがこれもその
方法のひとつである。とはいえこれが言うは易く、行うの難しい。 その一番の障壁が、理
屈を超えた経営者の心。しかしこのM&Aの時代、経営者が真に社員の幸福を考えるな
ら、会社を神様からの預かりものと考えるなら、すべてを支配、所有したいという個
人的こだわりなど、役立たないボロ雑巾と同じように、一時も早く捨てるべきである。
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問題児 |
K.K |
タクシー業界でもちょっと目覚めた経営者は、まずドライバーのマナー教育を始めます。しかしほとんどが挫折します。 なぜなら、お客様はマナーの良い車を選ぶ、そして売上に結びつく。そんな安直な動機から始めるからです。勿論、お客様がそれだけで車を選ぶわけがありません。そしてその誤ったセオリーにドライバーは経営者よりも先に気づき、協力しなくなるのです。実はここで問題なのはドライバーではなく、マナーとはあって当たり前、ないと社会人として恥ずかしい、このレベルの話しであることをとっくに忘れて、マナーイコール売上と思っている経営者その人なのです。
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不思議 |
Y.K |
一昔ならいざ知らず、この時代にタクシー業だけがなぜ完全歩合制を許されているのか不思議でしようがない。なぜなら完全歩合制というのは人間性悪説に基づく、働く人への不信の産物であり、そもそも不信から始まる労使関係などあり得ない。 いうまでもなく経営とは、信頼関係から始まる、山あり谷ありの気の長い労使間の行為である。そしてその目的は、労使ともに長期的に安心で、安全で、安定した豊かさを求めることである。 しかし完全歩合制はその対極のシステムであり、働く側だけに不安で、危険で、不安定な生活を強いるものである。特に問題なのは長時間、かつ労働集約的な仕事の性格上、稼ぎたいという気持が過重な労働につながり、本人と利用者に危険を及ぼすことである。にもかかわらず、この前近代的な給与体系を行政が今もなお是正指導しないことは不思議でしようがない。
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地方では |
S.Y |
地方へ行く、とドーナツ現象で目抜き通りがゴーストタウン化しているが、そこに虫の行列のようにタクシーが居並ぶ。そしてドライバーはハイヤーのようにピカピカに磨きこんだ車のなかで虚しく過ぎる時間にいらつく。これを供給過剰と判断するのか地方のバスや電車と同じようにマイカーに代替された時代遅れのサービスと判断するのか、勝ち組不在の今、産業として崩壊するかもしれない重大な局面を迎えている。
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声かけ |
N.A |
プロ野球、新規参入の楽天が弱い。なるほど選手層が下敷きのように薄い。しかし田尾監督は与えられたこのチームで勝たなければならない。ちょっとタクシー業界に似ていませんか。 申し訳ないけれど、人材的に恵まれているとはお世辞にもいえない。しかしドライバーを奮起させ増収、増益を果たさなければならないのは同じ。 かって野村監督はヤクルト時代、野村再生工場と呼ばれ、他球団で評価の低い選手を一流に押し上げた。その時の手法は「声かけ」だった。二流の扱いを受けてきた選手にとって監督は雲の上の存在である。その神様が直接声をかけ、教えてくれる。奮起しないわけがない。 さて、これならタクシー業界の労使関係とそっくり。今日から早速声をかけてはいかがでしょう。もちろんその前にしっかり名前を覚えること。名前を間違っては台なしですぞ。
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野性 |
S.S |
通勤バスは、小田急と京王が交互にやってくるので、明確に運転手の比較ができる。京王はほとんどの人が、こちらが「おはようございます」といえば即座に反応する。しかし、自分から挨拶する人は1割もいない。それでも小田急よりは、はるかにまし。こちらはまさに、サファリのライオンである。 関心のないものには、まったく無表情で見向きもしない。そこで確認できたこと。人は教育をうけないと野性化する。
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恋心 |
I.M |
よく話すドライバーに遭遇した。最近までトラックに乗っていたが腰を痛めてタクシーに変えたとのこと。「タクシーは国から過労について厳しく指導されています。例えば私は今日、午前1時には帰らなければ叱られる。タイムカードの刻印の色まで変わる。こんなにも安全に配慮している乗り物はありません。車もLPガスで環境に優しい。そしてこんなにお客さんと話せる仕事はない。」などなど嬉しいことのオンパレードだった。そしてチップには大きな体、身長186cm、体重110kg、全体で幾重にも折って感謝された。この人は間違いなくタクシー業にひと目惚れ。その恋心いつまでも忘れないように。
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学生さん |
T.G |
リクルートスーツの学生さんが、企業説明会、また面接などに行き交う季節になりました。その真剣な表情は、時代とともに変化する学生気質とは無関係に、今も昔も同じです。同時にタクシー業界に学生さんが来ないのも、規制緩和とは無関係に、今も昔も同じです。 もちろん他にも、同じように寂しい思いをしている業種はあります。しかし、業種として諦める必要はありません。業種と会社はイコールではありません。 学生さんは、業種に就職するのではなく会社です。小さくても、経営者が夢を語るところに学生さんは集まります。学生さんが欲しければ、従業員ではなく、その実現のためのパートナーとして迎え、頭を下げることです。そして経営では夢に群がる人を、人材と呼ぶのです。
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使用禁止 |
K.K |
経営者が有能な部下を殺すひとこと。「余計なことをするな」。
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他所の子 |
Y.K |
タクシー経営者がドライバーの賃金低下を訴え、その生活を守れと国にいう。社員の生活を守るのは国ではなく会社の筈。規制緩和も含めて経営環境が悪くなるのはタクシー業だけではない。その時、増収を図るにはいかにお客様にもっと買っていただくか、そのためにはどうすればよいか、悩み抜くしかない。これって太陽が東から昇ると同じくらいの常識なのだが、それを捨てられないうちは他所の子扱いされてしまう。
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