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■キャブ損害保険 |
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タクバス見聞録
このエッセイは、企画営業部のスタッフが、 全国のタクシー会社・バス会社の
皆様との交流の中で 思うところをとりとめもなく、記するものです。時には
失礼な表現が含まれることもありますが、 寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸いです。
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親子 |
S.S |
三洋電機の業績悪化が報道されているが、今回、関わりのあった役員が経営責任を
とって全員退任することになった。しかし創業家の井植議長だけは「父親の人脈は今
後も会社にとって重要」と息子である社長の一言で留任となった。しかしこの未曾有
の危機に親子コンビはちょっとまずい。 親子コンビは平時の求心力としてはこれに優
るものはないが戦時は不思議なほど補完機能をもたず、なぜか相殺機能だけが働く。
その証拠に夫婦で、また兄弟で艱難辛苦の末、事業を起こしたり、また成功に導いた
例はいくつもあるが、親子の事例はとんと聞いたことがない。 そこで、タクシー業界
では当然のように息子を後継者として据えているが、もし有事の際、その息子をあて
にしているなら、止めたほうがよいと歴史は教えている。但し、娘むこは他人扱いと
する。
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病巣 |
I.M |
業界新聞に都内におけるタクシー事故があまりに多いので警察が駅などで直接ドライ
バーに安全運転をよびかけているとの記事あり。何故、直接かというとタクシー会社
に指導しても「本人は辞めさせたのもう大丈夫」などと的外れの回答しか帰ってこな
いからとのこと。しかし、事故の原因、問題の本質は運行管理者の怠慢とかドライ
バーの不注意ではないないことは誰もが知っている。したがってそれを指摘しない、
できないところに病巣あり。
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鵜残酷物語 |
T.G |
走る凶器ともいわれる車を操り、突然呼び止める客を横目で探しながら、一日300
kmを走る。それも都内では四方他の車に囲まれた状態で。確かに世に3K職場は多く
ある。しかしそれでも1日8時間労働=1出勤8時間労働。このような15時間以上連
続して緊張を強いる仕事は他にはない。「俺たちは長時間潜る鵜飼の鵜だよ」。
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恥 |
K.K |
NHKの「タクシードライバーは眠れない」という番組が反響を呼んでいる。これは規
制緩和後のドライバーさんの悲惨な状況をドキュメントで描いたものであるが、これ
は明らかに視点が誤っている。この現状、惨状は行政の問題ではなく経営の問題であ
る。ただそれが規制緩和で浮き彫りになったに過ぎない。したがって変えるべきは経
営者なのだから、規制緩和反対の陳情を繰り返すより、その時間をお客さまの開拓に
知恵をだし、汗を流すことに費やしたほうがずっとよい。そうすれば利用者の求めて
いるものが見えてくるし、その苦労を重ねることによって利用者の立場で経営判断を
する習慣が身についてくる。そしてなにより、この産業の平均年収が他より100万
円以上安いという経営の恥、自戒を原点としなければ何も変わらない。
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さてどっち |
Y.K |
会社が潰れるときは利口が喧嘩しているか、馬鹿が仲良くしているか、どっちかだと
言うが、業界が駄目になるときも同様かも知れない。さてタクシー業界はどっちだろ
う。
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スター誕生 |
S.Y |
最近テレビで見る話題の経営者は若くて、ビジュアルもよく、パフォーマンスもうま
い。ユーセンの宇野社長はベストドレッサー賞まで受けている。そしてそれぞれ表面
的なことだけではなく腕も度胸も満点である。まさにイチローやキムタクのようなコ
ピーできないスターの誕生である。これで時代劇に出てくる越後屋のようなイメージ
もなくなり、社長業がスポーツや芸能のように子供や若者の憧れの職業になる可能性
も生まれた。 さてその動機はともかく、日本は昔も今も資源がないのだから人材、起
業する人がいなければ国家として衰退してしまうのだ。幸いタクシー業では、起業=
新免の数だけは雨後のたけのこ状態だが、残念ながらいまいち夢が膨らまず、また話
題性、新規性に乏しく、現状では知恵のない増車ごっこに陥っている。これでは結局
OOOの子沢山となり、家族の生活はますます苦しくなっていく。そろそろ出て来い
スーパースター。
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袖擦りあう縁 |
N.A |
この業界の悪しき特長にて弊社の営業が嘆くことをひとつ。それは社長が営業マンと
の面会の約束を平気で破るということ。いまだに営業を物売り扱いし、いかにも買っ
てやるという姿勢だが、今は3種類の営業が存在する。 (1)物売り(2)情報売り(3)物+情
報売り。このうち経営者にとって大切なのは情報。物は現場の人でも見ればわかる
が、情報は咀嚼する能力と同時に経営に活かす権限がないと馬の耳に念仏となる。 し
たがって小規模の会社では社長の仕事となるが、そもそもその価値を認めていない経
営者なら会っても無駄だと思ったほうがよいかもしれない。むしろ無駄な時間を費や
すことがなく結果オーライ。ところで古今東西、成功者とはわずかな袖摺りあう縁で
も大切にした人のことだそうですぞ。
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あいのり |
S.S |
地方でタクシーに乗ったとき、ドライバーさんから、「確かにタクシー代は高いよ。
私もこの料金じゃ乗りませんよ。でも3〜4人で乗ると結構安いんだよね。なんであ
いのりしちゃ駄目なの。それがOKなら近所のおばちゃんや年寄りももっと出かけるけ
どね」。バスと異なり、ドアツードアのタクシーサービスこそあいのりニーズの宝庫
に違いない。
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傾聴 |
I.M |
大手求人誌の女性社長の苦労話。 37歳で離婚して、生計をたてるために営業を始め
たが、うまくいかず辞めようと思った。そんな時、社内に貼ってあったことば、
「トップセールスとはもっとも多く断りを受けた人のことである」、これを読んで開
眼し、トップへと上り詰めた。そしてめでたく管理職に登用されたが、今度は思いい
れの深い部下が次々と去り、自信を喪失しかけた。その時、上司から言われたひとこ
と「かけた情けは水に流し(忘れて)、受けた恩だけ忘れるな」、またこの一言で覚
醒し、今日があるとのこと。 やはり成長する人は他人の意見に素直に耳を傾ける。そ
して時には吹く風、降る雨からでも学ぶ。そこで、もともと力のないワンマン社長に
一言、周囲からの提案をピンポン玉のようにはじき返すことを得意がっていては、そ
のうち本当にひとりぼっちになってしまいますよ。
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宮仕え |
T.G |
楽天の田尾監督が解雇された。それに対し、本人は「契約の3年間はやらせてくれる
と思っていた」と未練気に語った。要はやりたいのである。ならば今後のために「宮
仕え」心得を教えておこう。
その一、主人とは無理をいう人のことである。 その二、
主人以外はみな、従者である。 その三、手柄はすべて主人のものとせよ。
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