|
|
|
|
|
|
|
■キャブ損害保険 |
|
|
|
|
タクバス見聞録
このエッセイは、企画営業部のスタッフが、 全国のタクシー会社・バス会社の
皆様との交流の中で 思うところをとりとめもなく、記するものです。時には
失礼な表現が含まれることもありますが、 寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸いです。
|
ATTACK |
Y.K |
一部の地域でタクシー経営者がNPOの福祉輸送に対し、運賃を半額に下げ、顧客?
(他社と料金、サービスなどで差別化が図られてなく、ただ家に近いから呼んでいる
場合は顧客といわない)を守ろうとしている。ビジネスはいうまでもなく先手必勝だ
が、これだけ後手後手に回り続ける経営者たちも珍しい。それより毎度のことだが対
抗時のこの気前のよい値下げっぷりはいったいなんだ。ない袖なら振れないけれどあ
るなら、できるなら先にやればよい。他人の知恵に料金だけで追っかける、やらなく
て済むものであればできるだけしない、そんな顧客への姿勢では遅かれ早かれみぐる
み剥ぎ取られてしまうだろう。いつの時代、どの業界も攻撃こそ最大の防御である。
|
|
ホリエモン |
S.Y |
金持ちホリエモン逮捕。その語録のなかで「金で買えないものはない」と豪語する。
実はそれが真実であるということは貧乏な人ほどよく知っている。しかし世の中、素
直な貧乏人ばかりではない。インテリを気取る、痩せ我慢する、中途半端な貧乏人も
いる。やはり金持ちは「金で買えないものがある」と嘘を言わなければ嫌われる。た
だし生まれながらの金持ちは「金で買えないものがある」ことを知っている。欲しが
るものが違うのである。
|
|
あと10分、あと10キロ |
N.A |
タクシーの業績アップには、消費エネルギーに満ち溢れた若者市場の開拓しかない。
話題の高齢者市場は消費意欲が乏しく、喧伝されるほどのパワーはない。持つと使うは、
必ずしもワンパッケージではない。ではこの若者への営業施策はどこにヒントがあるか
といえば携帯とかファーストフードだろう。かって電話はタクシーと同様、便利な道
具でしかなかった。そして大人の道具であった。ところが携帯は便利だけではなくア
ミューズメント化、総合生活支援ツール化し、若者と一心同体となった。また小腹を
満たす軽外食、これもタクシー同様、大人の特権であったが、マックの登場により、
おしゃれなコミュニケーションの場に変わり、若者の文化となった。 これらはその登
場以前には誰もが夢にも思わなかった若者市場の創造に成功した。要は諦めてはいけ
ない。若者が使ってみたい、食べてみたいと同様にもっともっと乗ってみたい、あと
10分、あと10キロ、活用したくなるタクシーサービスを考案することしかない。少
なくとも現状のサービスはあまりに原始的で単純極まりないこと間違いなし。ところ
で経営者のこの一言にはいつも絶望的になる。「お客はタクシーにそのようなことは
求めていない」。
|
|
運賃規制 |
S.S |
規制緩和により数十種類の割引運賃が出回っている。 しかし、需要の喚起もなければ
業者の淘汰もない。これはひとえに運賃規制を残した結果である。確か、規制以前の
心配事はタクシーは選べない?理由で多様な運賃は利用者に公平さを欠くと同時に混
乱を招く筈であったが、ノークレームである。 その理由は簡単で3〜4割引が当たり
前に慣れた利用者にとって1割引などないよりましの豚のしっぽ、興味もないのであ
る。しかし中小タクシー業者にとってはもとより薄利の業界、その料金ダウンと大
手、新免の増車とのダブルパンチで死活問題となっている。しかも今後さらに料金が
じわじわ下がり、かつ増車傾向も止むことはない。そこでそれなら「ゆでがえる」に
するより、いっそ熱湯に入れてくれという社長も増えている。なぜならこの業界は法
人の85%は50台以下の零細企業、大学出の息子にとって引き継ぐ魅力もなく、経
営者も高齢化している。そこで譲渡、廃業のグッドタイミングを探らざるを得ない。
したがって業界への配慮で運賃規制を残す必要はなく、利用者の利益のみにフォーカ
スして判断を下すべき時期がきている。
|
|
変化、変身 |
I.M |
タクシー会社の社会的地位の向上のために要求される変化、変身 (1)旧から新(2)低か
ら高(3)単から複(4)老から若(5)夜から昼、以上。詳細は改めて。
|
|
スター誕生? |
T.G |
業界新聞によると上場を目指す都内のH社が乗務員の待遇を最優先させる経営方針で
業績を伸ばしているとのこと。そもそも開業の目的はドライバーの社会的地位の向
上、そしてスローガンは「タクシー業界の常識はH社の非常識」、「固定観念打破」
など既存業者にとって極めて挑戦的。また社屋はプレハブ、社長室にお金をかけるな
らドライバーの待遇改善のコストにかける方針。もちろんクレジットカードの手数料
などは当然会社負担。そして大切なお客様には良い車、良いサービス。その結果、顧
客の信頼を得られると同時に理念に同調するドライバー、いや人材がどんどん集り、
このご時世に求人に苦労しないとのこと。ちなみに約180名いるドライバーの11
月の平均月収は47万円、繁忙期の12月は手取り60万円以上の人が3割いたそう
だ。このまますくすく育てて3年後には500台規模での株式上場。まさにサクセス
ロード一直線。これってスター誕生では。
|
|
景気ウオッチャー |
K.K |
家庭ではペットの次に扱われているお父さんの消費が、なんと20%もアップだそう
だ。このデータからも間違いなく景気は上向いており、タクシー業界も期待感でいっ
ぱいである。 しかし、同じ公共交通機関である航空や鉄道などは規制緩和や民営化、
また上場後、業績と景気を連動させて語ることはないし、許されもしない。そのため
にも彼らは利用者の快適と楽しさをテーマにサービス業として様々な企画商品を世に
出し続けている。 タクシー業界もそろそろこの景気というきまぐれで不確かなご主人
様の顔色をうかがう必要のない自立の道を探らなければならない。少なくともアテン
ダントや車掌が任命されることのない景気ウオッチャーに自社のドライバーが任命さ
れること自体不名誉なことと考えなければならない。
|
|
下流社会 |
Y.K |
収入の低い人たちが増え、下流社会が生まれている。しかしこれまでのような総中流
社会が特殊で、どこの国でも大抵、氏素性なり、学歴、収入等で身分差があるのが普
通である。さほど遠い昔ではなく、日本もそうだった。ただ、困ったことはタクシー
業に従事する人たちがその下流社会に属してしまう事実だ。しかし経営に責任を負う
人にとって自分の会社の従業員とその家族が下流社会に属していることは屈辱以外の
何ものでもない筈だ。この言葉の登場はつい忘れていたかもしれない経営者のプライ
ドを問うことになるだろう。
|
|
自信満々 |
S.Y |
ドライバーの求人広告で「タクシーってこんなにやりがいのある仕事です」といった
久しぶりに嬉しくなるようなキャッチコピーを眼にした。経営者にこの自信がなけれ
ばなにも始まらない。まして、誰もが急病、急用、地理不案内、深夜などでお世話に
なっていることは紛れもない事実である。このように「いつでも、どこでも、誰にで
も」公共交通機関として立派なサービスを日々、提供しているのだからもっと業界全
体で胸を張ろう。それにはまず経営者が社会貢献ナンバーワン業種であることに揺る
ぎない自信をもとう。
|
|
本格派 |
N.A |
野球やサッカーなど監督業は「辞任するものではなく、クビになるもの」だがタク
シー業界の社長はこれとまったく反対、「クビになるものではなく辞任するもの」で
ある。したがって辞任しなければ永遠のポストである。もちろんタクシー業界だけで
はなく、非上場企業のほとんどは同様だが。それだけにこの業界に、もし業績に進退
を賭ける経営者がいたなら、ずいぶん感動を与えるだろう。営業の疲れも吹っ飛ぶよ
うな覚悟のある本格派の経営者に会いたいものだ。
|
|
|
|
|