キャブ損害保険


タクバス見聞録




タクバス見聞録


このエッセイは、企画営業部のスタッフが、
全国のタクシー会社・バス会社の 皆様との交流の中で
思うところをとりとめもなく、記するものです。時には
失礼な表現が含まれることもありますが、
寛大なお気持ちでお読み頂ければ幸いです。

ネーミング I.M
個人で介護タクシーを始める人が多い。しかし相当営業力がないと、まず悲惨な結果となる。介護タクシー人気は、その罪なネーミングによるものと思う。
確かに同じような仕事なら、世間受けのよさそうな仕事を選びたい。しかし介護とは辞書のとおり、病人、怪我人、身障者、寝たきり老人などのお世話、たとえ介助でも食事、着替え、入浴、用便などに手を貸すことであり、病院等への搬送サービスだけではその名に値しない。
飛行機にその方々が乗っても、介護飛行機と言わないように、典型的な拡大解釈である。それにしても、買い込んだ車に、頭を抱える中高年夫婦の姿は、気の毒すぎる。

ポイントキャブ(2) T.G
ポイントキャブのネットワークは、ただポイントが貯まるタクシー会社が名前を連ねているのではなく、数多のなかからチョイスされたエリートカンパニーの集合体です。またそれを目指し、日々研鑚を積んでいる経営者と社員たちの集合体です。そして近い将来車内をくつろぎの空間、家庭のダイニングルームのレベルにまでサービスを高めようとしています。そしてお客様からネットワークとしての価値、全国で同品質のサービスを提供できる信任を得たとき、タクシー業界初のナショナルブランドが確立できるのです。と言いたいものですが、なかなかこの業界は手強い。

ポイントキャブ K.K
ほとんどの人は行きつけの店を持っている。ちょっと寄ってみたくなる場所、例えば酒場、喫茶店、ブティックなどそこへ行けば和む場所だ。和むということは、決して話し相手を求めるものではない。互いに安心できる馴染んだ空間があればよい。
弊社のポイントキャブサービスが目指すものは、タクシー車内をその空間にすることだ。決してスーパーとかドラッグストアのように、ポイントが貯まればよいというものではない。バーテンさんの「いつものお酒でよろしいですか」と同じような関係、「お疲れ様です。いつものところで宜しいでしょうか」と余計な説明をさせない関係をつくることである。

勝ち逃げ Y.K
かってのカリスマだった西武、読売、ダイエー、ミサワなどのトップが表舞台からさびしく姿を消していく。それも自らの意思ではなく追われるように。いったい晩節を汚す要因ってなんだろう。ワンマン、時代遅れ、裸の王様、老醜などマスコミは色々分析をしてくれるが、全員に共通しているのは現役が長いということ。長ければ当然、決断、実行も増えてくる。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるというが上手い鉄砲も数打ちゃ外れることもある。そこでタクシー業界の諸先輩、風雲告げる今日この頃、目指すべきは「勝ち逃げ人生」かも知れません。

絶滅種 S.Y
広島のバス会社がバスガイド不足を解消するために、GPSを利用した無人バスガイドシステムを開発し、他社にも売り込むそうだ。これはバスの位置や状況に合わせ、バーチャルバスガイドが適切な案内をするというなかなかの優れものだが、よほど映像に工夫がない限り、見る人はすぐに飽きてしまうだろう。
そもそもほとんどの観光地が紙芝居と同じでそこに人の技、上手い説明がなければ面白くもおかしくもない代物である。現実に旅行はしても観光をしない旅行客がどんどん増えている。
それよりもバスガイドという職業は、バス会社が産んだ自分の子供同然の筈。それを安易に育児が難しいからといって子育てを放棄することに疑問を感じる。確かに大変な仕事である。ガイドだけではなく子供からお年寄りまでの接遇をしっかり学び、ときには酔客の相手までたっぷり経験を積まなければならないが、その割りには報われないことが多い。それだけにバス会社が見捨てると職業そのものが絶滅してしまう。

奉仕 N.A
読売新聞の投書欄にタクシードライバーへの感謝が綴られていた。
子供さんの様態が悪くなり、病院へ連れていくため外に出たが、なかなかタクシーがつかまらない。その様子を見て、反対車線を走行中の車がユーターンして乗せてくれた。そして車中では優しい言葉をたくさんかけてくれたとのこと。
確かにタクシーに救われることはよくある。特に急ぐ必要のあることが多いが、最近では24時間サービスという他にはない特性に注目し、警察や地域から、こどもや女性また高齢者のセキュリティなど、防犯面での協力要請が多いとのこと。残念ながらお金には直接結びつかないが、人はパンのみが目的で生きているわけではない。また経営的にも大勢の心をひとつにするには世のため、人のためという錦の御旗が必要である。考えればタクシーにできる奉仕はたくさんある。

稼業 S.S
日曜日の朝、とある喫茶店。ドライバーさんたちが気の置けない仲間を誘って、コーヒーブレイクを楽しんでいる。たわいもない運転中の出来事をさも事件でもあったようにそれぞれが披露しては大笑いしている。まさに緊張から解放された瞬間での破顔一笑である。
確かに見知らぬ乗客たちとの短く、単純で、乾いた時間を繰り返し共有することが、いつしか喜びに変わるとは思えない。そういう意味ではまさに食わんがための稼業。仕事にやりがいとか潤いを求める贅沢な自分たちを反省しましょう。

堪忍袋の緒 I.M
時おり、日経流通新聞とタクシーの業界新聞をほぼ同時に読むが、まさに明と暗。
日経流通新聞は努力をすれば報われるという夢と元気をくれる。反対に業界新聞は夢と元気を奪う。同じビジネスの世界でありながら自由な競争が許されている、いないでは長い歳月を経るとこんなにも異質なものに育ってしまうのか。
たぶんタクシー業界も創世の頃の経営者は起業家として攻撃的で進取、独立独歩の気概をもっていたに違いない。先日大口割引の認可は不当な競争を煽るという内容で国交省を提訴していたが、先人が墓の下で泣いているに違いない。もう役所も堪忍袋の緒を切る決断の時がきているのでは。

お目こぼし T.G
仲良しクラブをつくって、他人の庭は荒らさない、というのが許認可の世界では常識だが、新免業者にその意識は薄い。むしろ食わんがために、いかに他人の庭を荒らすか知恵を絞る。ここに制約のなかとはいえ、自由競争の芽が育まれている。
そしてこの芽を摘まないことが業界を利用者本位へと脱皮させる経営者の出現、つまりこの業界では突然変異を産むことになる。しかし新しいものは規格外が多い。時にルールを逸脱する。そこでお役所のお目こぼしという大岡裁きが必要となる。やんちゃな子供の教育と同じ、叱って萎縮させるより誉めて大器に育てることだ。

マイタクシー K.K
タクシー会社にとって「一見から顧客へ」というテーマは普遍である。これは電話仕事がほぼ100%の地方でも同じ。
確かに田舎では、自宅の黒電話の近くに、年寄りでも解るようにマイタクシーの番号を貼っている。
しかし、街で拾う時、病院で、駅で乗り込む時、どこでもよいから早く来た車に乗ってしまう。香川県の高松駅では「タクシー会社は選んで乗れます」と看板まで立てて促進したが結果は同じ。要は顧客であって顧客でない。お客様の声が聞こえてくる。お得意さんになって何かいいことある?。


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